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モルゴーア・クァルテット 演奏活動30周年 Vol.1

モルゴーアの証言

日時 2023年1月23日(月)19時開演(18時15分開場)
会場 東京文化会館 小ホール(東京・上野)
料金 指定席(限定32席)¥4,500、一般(自由席)¥4,000、学生(自由席)¥2,000
※指定席はミリオンチケット(オンライン・チケットサービス)のみで取扱い。
出演

第1ヴァイオリン:荒井英治

第2ヴァイオリン:戸澤哲夫

ヴィオラ:小野富士

チェロ:藤森亮一

ピアノ:野田清隆

曲目

オール・ショスタコーヴィチ・プログラム

交響曲 第9番 変ホ長調 Op.70より第1楽章(荒井英治編曲)

ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.57(ピアノ:野田清隆)

弦楽四重奏曲 第5番 変ロ長調 Op.92

[チケット取扱い]

  東京文化会館チケットサービス TEL.03-5685-0650

  e+(イープラス) https://eplus.jp

  ローソンチケット TEL.0570-000-407

  ミリオンコンサート協会 TEL.03-3501-5638

  ミリオンチケット(オンライン・チケットサービス)

   ※ミリオンチケットからのお申込みはセブンイレブンでのお引き取りとなります。

[コンサートマネージメント]

  ミリオンコンサート協会 TEL.03-3501-5638


モルゴーア・クァルテット 演奏活動30周年 Vol.1 モルゴーアの証言・チラシ

モルゴーア・クァルテット 演奏活動30周年 Vol.1 モルゴーアの証言・チラシ

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 モルゴーア・クァルテットは30歳を迎えました。ここまで惜しみなく応援してくださった皆様あってのことと深く感謝申し上げます。

 結成するにあたり、ショスタコーヴィチを誰の力も借りずに勉強することだけを目的として産声をあげたモルゴーアでしたが、最初の全曲完奏までの9年間は彼独特の音楽語法に惑い、悩み、時には途方に暮れることもしばしばでした。簡潔であるがゆえに内面に沈潜していくその深さや、含みのある音型など、容易に共感することを拒絶しているようにも思えたものです。

 ショスタコーヴィチの音楽は、何かを喪失してしまった心が向かう方向はいったい何処なのか?という苦悩が原点になっているのではないでしょうか。そしてそれをこれほどまでにダイレクトにまた痛切に訴えてくる音楽はかつて存在していたでしょうか。そう、マーラーの音楽には近いものがあります。しかしマーラーには創造主の存在、そしてアルマへの愛を信じていたし、それを救いとしていました。ではショスタコーヴィチは? 彼をして創作に駆立てているものは何でしょうか⋯⋯それは『懐疑』であった、といっても否定できないように思います。私達が容易に感受することのできるそこに表わされる怒りや悲しみ、喜び、などの感情は彼自身の人間への不信や懐疑、更には絶望と結びついているのでは?と仮定したいのです。しかしそれにも関わらず、逆に信じているもの、真の救いと思っているものはあるのでしょうか、またあるとすればそれは何なのでしょうか?

 ⋯⋯それを考えるのが演奏するモルゴーアであり、お聴きになる皆さんです。

 ショスタコーヴィチが置かれていた状況は今の私達には関係ない、とはもはや誰も言えないでしょう。なぜなら私たちも同じ人間だからです。間違いを犯すのは社会のシステムではない、それを作り出すひとりひとりの私達だからです。それでは何が正しいのか、が混迷している現在、彼が音楽で証言していることに傾聴すべきではないでしょうか? とりわけ、ff で終結する『絶望』と、消えゆくpp に託された『良心への希望』に⋯⋯

 結成30年を迎え、久しぶりにショスタコーヴィチの一夜を行ないます。ひと味違う今回の曲目リストは、今宵のために弦楽四重奏に編曲した交響曲に、ピアノを加えた五重奏曲、そして弦楽四重奏曲です。15曲の中から厳選した1曲は、第1番と第15番を除く13曲を初演したベートーヴェン四重奏団の結成30年のお祝いとして贈られた作品です!

 それではひとまず、ショスタコーヴィチの格別な笑顔を思い浮かべながらお楽しみください。



荒井英治



出演者プロフィール


荒井英治(第1ヴァイオリン) Eiji Arai/1st Violin

 元東京フィルハーモニー交響楽団 ソロコンサートマスター


戸澤哲夫(第2ヴァイオリン) Tetsuo Tozawa/2nd Violin

 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 コンサートマスター


小野富士(ヴィオラ) Onofuji/Viola

 元NHK交響楽団 次席ヴィオラ奏者


藤森亮一(チェロ) Ryoichi Fujimori/Violoncello

 NHK交響楽団 首席チェロ奏者


野田清隆(ピアノ) Kiyotaka Noda/Piano

 第64回日本音楽コンクール第1位。ブラームスと20世紀作品による一連のリサイタルで東京藝術大学において博士号取得。室内楽はもとより、内外の指揮者と共演を重ね、読売日響、日本フィル、東響、東京シティ・フィル、藝大フィル、札幌響、神奈川フィル、名古屋フィル、京都市響、大阪響、広島響、九州響でソリストを務めるほか、愛知室内管では弾き振りも行った。
 尾高惇忠《ピアノ協奏曲》初演やブーレーズ作品の日本初演など現代音楽の領域でも活動。録音や放送にも参加し多数のCDがある。東京藝大ピアノ科、室内楽科講師を経て、東京学芸大学准教授、東京音大指揮科アドヴァイザーを務める傍ら、2022年より指揮を田代俊文氏に師事。



モルゴーア・クァルテット MORGAUA QUARTET/String Quartet


 MORGAUA QUARTET(モルゴーア・クァルテット)は、ショスタコーヴィチの残した15曲の弦楽四重奏曲を演奏するため、1992年秋に結成された弦楽四重奏団。翌'93年6月に第1回定期演奏会を開始。

 2001年1月の第14回定期演奏会でショスタコーヴィチの残した弦楽四重奏曲全15曲を完奏。

 同年4月、第2ヴァイオリンを青木高志から戸澤哲夫に交代。

 2001年11月からは「トリトン・アーツ・ネットワーク」との共催公演で《モルゴーア・クァルテット ショスタコーヴィチ・シリーズ》を5回に亘って行ない、'03年12月に2度目の完奏。

 2003年6月の第19回定期演奏会で、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲を完奏。

 2005年4月、マイスター・ミュージックから《ボロディン:弦楽四重奏曲集》を発売。

 2006年6月、第25回定期演奏会で、バルトークの弦楽四重奏曲全6曲を完奏。同年9月には「トリトン・アーツ・ネットワーク」との共催でショスタコーヴィチ生誕100周年記念弦楽四重奏曲全曲演奏会を行ない、3日間で全15曲を3度目の完奏。

 2008年11月、東京フィルハーモニー交響楽団 第761回サントリー定期シリーズに、マルティヌー作曲「弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲」のソリストとして招聘され、弦楽四重奏団としての高いクオリティを評価された。

 2009年1月の第30回定期演奏会で、ベートーヴェン中期弦楽四重奏曲を完奏。

 2012年6月、結成20周年記念ガラコンサート「20th Anniversary Morgaua Quartet GALA」を福島、東京、大阪で開催。'12年6月と'14年5月、そして'17年3月に日本コロムビアからリリースした、荒井英治編曲のプログレッシヴ・ロック・アルバム《21世紀の精神正常者たち》《原始心母の危機》《トリビュートロジー》により、ボーダーレスな弦楽四重奏団としての高い評価を受ける。

 ショスタコーヴィチ没後40年(2015)から生誕110年(2016)をつなぐ「ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲全15曲演奏会」を'15年大晦日から'16年元旦にかけて「横浜みなとみらいホール小ホール」で開催。瞠目のプログラムで多くの聴衆を集め、4度目の完奏。

 2017年6月、結成25周年記念コンサートを福島、東京(vol.1)で、'18年1月にvol.2を東京で開催。

 1998年1月、第10回「村松賞」、2011年5月、2010年度「アリオン賞」、2016年9月、第14回「佐川吉男音楽賞 奨励賞」、2017年9月「第47回JXTG音楽賞 洋楽部門本賞」、2018年6月「第28回みんゆう県民大賞 芸術文化賞」を受賞。

 モルゴーア・クァルテットの斬新なプログラムと曲の核心に迫る演奏は、常に話題と熱狂を呼んでいる。

 モルゴーアは、エスペラント語(morgaŭa=明日の)に原意を持つ。


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